専務が私を追ってくる!

シャワーの音がする浴室へ行き、おそるおそる扉をノックする。

「専務」

声を掛けるとキュッとシャワーが止まった。

倒れてはいないようだ。

「なに?」

シャワーを浴びて目が覚めてきたのだろう。

さっきよりしっかりした口調だ。

「今日はお疲れのようですから、猫の世話は私がやります。起こしてしまうといけないので、荷物の部屋にお布団敷きますね」

そう告げると、浴室の扉が勢いよく開いた。

湯に濡れた全裸の修が、シャンプーの香りの湯気を発している。

私は驚いて一歩退くが、浴室から腕が伸びてきて、あっさり手首を掴まれる。

そしてグイッと浴室へ引っ張られた。

「きゃっ!」

ビシャッと足が濡れる。

抵抗してみるが滑ってしまいそうで力が入らず、あっという間に濡れた修の体に包まれる。

みるみるメガネが曇って、何も見えなくなった。

せっかく乾かした髪と着ていた部屋着に、水分がじわじわ染み込んでゆく。

右の耳元に彼の熱い息づかいを感じる。

「もうっ! 何なんですか、一体!」

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