専務が私を追ってくる!
翌朝。
修はいつもより30分遅くダイニングにやって来た。
「おはよー」
頭は寝癖がついたままだし髭も伸びている。
二日酔いしているのか、顔色がすこぶる悪い。
「おはようございます、専務。しじみのみそ汁作りますね。インスタントですけど」
私は昨夜のことなど何もなかったように振る舞う。
何もないフリも慣れたものだ。
「ありがと。ミキとミカは?」
「さっきミルク飲んで、少し遊んで、今はケージで眠ってます」
「そう。起こすのはやめとくか」
私がお湯を沸かしている間に、修は洗面台へ。
付き合いで頻繁に酒を飲まされる修のために導入したしじみのインスタントみそ汁を作り、白米と昨夜のおかずの残りとともにテーブルに出す。
私はふと思い出して、会社用のバッグから預かっていたものを、朝食の横に置いておいた。
奥様から“確実に”と頼まれた、お見合い写真と釣書だ。
寝癖を直しひげを剃って洗面台から戻ってきた修は、みそ汁の横に置かれたその封筒を認識するなり深いため息をつく。