専務が私を追ってくる!
修は相変わらず、この2匹を溺愛している。
「今度もっと大きいケージを買ってあげるからねー」
それにしても、甘やかし過ぎだと思う。
ヴーーー ヴーーー
「ぴぎゃー!」
「シャーーー!」
テーブルの上で私の携帯が鳴り始め、猫たちが怯えて騒ぎだす。
この子たちは携帯のバイブ音が嫌いで、鳴ると今のように逃げ回ったり威嚇したりする。
私の携帯なんて滅多に鳴らないのに、一体誰だろう。
ディスプレイには『佳子』と表示されていた。
「お母さんだ」
「出たら?」
「う、うん。あっちで話してくる」
猫や修の声が入らないよう、部屋を出て廊下で画面をスワイプ。
「もしもし」
「ああ、美穂? お母さんだけど。あんた電話もよこさないけど元気してるの?」
最近無駄に大きな声で話すようになった母の声に、耳がキーンとなる。
私は電話を反対の耳に当て直した。
「うん、元気元気。今日はどうしたの?」
「うん。ずっと言わなきゃって思ってて忘れてたんだけどね」
「え、うん。何?」
「実はーー……」
母の話を聞いて、私は危うく携帯を落としてしまいそうになった。