専務が私を追ってくる!
電話を切り、部屋へ戻る。
ソファーに寝そべり猫たちを腹の上で遊ばせていた修が何気なく尋ねてきた。
「お母さん、何だって?」
「来るって」
「え?」
「だから、お母さんこの家に来るんだって」
修が慌てて体を起こし、子猫が楽しそうに転がる。
「ええっ! マジ? いつ?」
「……あさって。金曜の夜。土曜日に高校の同窓会があるんだって」
「高校の同窓会……ということは」
「社長と奥様も参加するんじゃないかな」
でも、問題はそこではないのだ。
私は家族に、猫を飼い始めたことも彼氏ができたことも、猫のために半同棲していることも言っていない。
猫はともかく、もしうちの母に修と付き合っていることを伝えたら、ほぼ確実に、社長と奥様にも伝わってしまうことになる。
「あのさ、修くん……」
「何となく予想がつくけど、聞こうか」
「お母さんがいる間、自分のマンションに帰っていただけます?」
めいっぱい媚びる声で告げる。
すると修は、眉間に思いっきり深いしわを刻んで答えた。
「嫌だ」