専務が私を追ってくる!
子供の頃は「宿題を終わらせてから遊びに行きなさい」などという教育的な意味だった。
大人になった現在では、主に「できちゃった婚は許さない」を意味する。
当然、世間体が悪いからである。
そんな母は、結婚して初めて同居するものだと順番づけている。
嫁入り前の娘が男と暮らしているなど、ふしだらだと言い放ったことさえある。
修との同棲など認めてくれるはずがない。
過去に付き合っていた彼と一緒に暮らしたいと申し出た時も、父は寛容だったが母は強く反対し、その彼にまでキツい言葉で攻撃した。
結果、一緒に暮らすには至らなかったし、以来気まずくなって、その後間もなくして破局。
苦い思い出になっている。
期間限定の同居とはいえ、修にあんな攻撃は受けてほしくない。
今の良好な関係を続けたい。
別れたくない。
「時間が取れるようなら紹介するから。この家はお母さんの実家でもあるし、いきなり知らない人が暮らしてたらビックリすると思うんだ」
「まあ、それはそうか」
渋々納得する修。
おしかけてきたのは自分だという負い目もあるのだろう。
「仕事も休みだし、ミキとミカのことは心配しないで」
「わかったよ」
不満そうな顔をしつつ、今のうちとばかりに猫たちにずっと構っていた。