専務が私を追ってくる!
しかし、時に気分をどん底まで落とす劇薬にもなる。
「あ、ここ。シミになってる」
「えっ? シミ?」
「ここだよ。左右にふたつ」
修が指で触れたのは、メガネの鼻パットが当たる部分だった。
今年に入ってからほとんどの時間をメガネで過ごしてきた。
鼻パットの部分が、摩擦でシミになってきたということ?
「うそ……!」
慌てて洗面台に駆け込む。
よーく見てみると、確かにうっすらシミのように見える。
どんなに見た目を地味にしても、スキンケアだけは怠らないようにしていたのに。
いつか出会う時が来るとは思っていたけれど、まさかメガネでなんて……。
シミなんてひとつも見えなかった長部さんの、キレイな笑顔が頭に浮かんだ。
キレイに着飾ったはずの自分が、彼女よりずっとブスに見える。
どうしてだろう。
私、もっとキレイだったはずなのに。
落ち着いていた心が、再びざわざわ騒ぎだす。