専務が私を追ってくる!
この日は気まずい空気のまま、別々の布団で床についた。
いつもであれば私が拒否しない限り、
「一緒に寝ようよー。暑いけどくっつきたい」
と甘えてくるのだが。
彼は私が醸し出している空気を読んで、私を腫れ物のように扱っている。
必要以上には接することなく、触れるときには恐る恐る。
「おやすみ」
「うん、おやすみ」
すぐ横にいるのに、キスもハグも、もちろんセックスだってすることなく眠る。
恋人という関係になってから、こんなにも寂しい就寝は初めてだった。
ピリリリリリ ピリリリリリ
深夜、耳をつんざくような電子音で目が覚めた。
音は左の方から聞こえてきて、うっすら目を開けると、画面を眩しそうに見る修がもそもそ動いていた。
音から判断するに、社用携帯が鳴ったらしい。
こんな時間に、どうしたのだろう。
「もしもし……?」
微かに男性の声が聞こえた。
「え?」
修の声が危機迫るものになって、何かよくないことが起きたのだとわかる。