専務が私を追ってくる!

私も体を起こし、リモコンで部屋の明かりを点けた。

時計を見ると、針は午前3時過ぎ。

ケージの猫たちも電話の音に驚いて、何事かと鳴き暴れている。

「はい、はい。それで、今乗客はどうなってるんですか? はい。はい」

乗客? この時間……ということは、夜行バス?

ドキドキしながら通話が終わるのを待った。

「東京行き夜行バスが、事故に遭った」

「事故!?」

「居眠り運転してたトラックが横から突っ込んできたらしい」

「それで、乗客は……」

「幸い、軽く当たる程度で済んだ。ぶつかった右の後部に乗客はいなくて、乗客運転手共に全員無事だそうだ」

死傷者がいなかっただけ大いにマシだと、安堵の息が漏れた。

「行ってくる。今高速バスの最高責任者は俺だから、しばらく他の仕事に穴を開けるかもしれない」

修は立ち上がって隣の荷物部屋で着替え始めた。

「私も行く」

と立ち上がったが、あまりのショックに膝が笑っている。

グッと力を込めて修のもとへ。

事故のことで、さっきまでの気まずさはどこかへ行ってしまった。

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