専務が私を追ってくる!

来週……。

もう時間がない。

臨時総会までに、修を専務にしておくメリットがないと、あの容赦ない株主たちを説得できない。

「明日、長部さんご一家と顔合わせするの」

修の嘘が、またひとつ発覚した。

明日は社長とこっちに帰ってきてから、実家に寄ると言っていたくせに。

「お見合い、ですか」

「いいえ。結納と挙式の日程を決めるのよ」

明日正式に婚約できれば、来週それを武器に株主たちを納得させられる。

修の夢と希望が守られる。

「準備は万端というわけですか」

「あとはあなたが、修と別れると言ってくれるだけよ」

そんなのって……。

私はただ、好きな人と愛おしい時間を過ごしたいだけなのに。

修が私を好きだと言ってくれるから、私も好きだと伝えて幸せに浸りたいだけなのに。

もう、恋愛が何なのかわからなくなってきた。

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