専務が私を追ってくる!
聞きたかった言葉が聞けて、心が潤いを得たように落ち着きを取り戻していく。
余裕をなくすと攻撃的になる嫌な私は、大人しく心の奥へと帰っていった。
「ほんと?」
次の瞬間、修が声を上げて笑いながら私の頭を乱暴に撫で、髪をくしゃくしゃに乱し始めた。
「あっはっはっは!」
もう本当にくしゃくしゃで、振り乱される髪が頬に当たってチクチク痛い。
「ちょっ……なに?」
「いやー、なんか嬉しくて」
「はあ?」
あんなにキツくて意地悪なこと言ったのに。
本当はそういうのが好きなのだろうか。
「美穂ってあんまり甘えてこないし、会社で美穂って呼ぶだけで怒るから、俺ばっかり美穂のこと好きなのかなーって思ってたんだけどさ。そうじゃなかったんだなーって、実感した」
「なっ……」
なにそれ。
不安にさせていたのは、私も同じだったってこと?
「嫉妬して、怒って、暴れて泣きわめいて……。美穂、俺のことすげー好きなんだな」
そうだよ、好きだよ大好きだよ。
でも、悔しいから言ってやらない。
代わりに髪を整えながらじろりと睨みつける。