専務が私を追ってくる!
私も見るからに白々しい、強かな女の笑顔を見せてやる。
「そうだね。今日は株主の不安を取り除くための大事な総会だ。僕たちも、そのために準備をしてきたんだよ」
修が跡取りであることが、株主の不安の元だとでも言いたげだ。
そしてそれを取り除くために、隠れてコソコソ行動してきたと。
決して表面には出さないが、火花が透けて見える。
「誤解してほしくないんだけど、僕は雨宮社長を心から尊敬しているんだ。彼と共に守ってきたこの会社は、僕の全てだと言ってもいい。だから、この会社の存続を第一に考えているだけであって、君の彼を苦しめたいわけじゃない」
「もちろん、それは承知しております」
「ありがとう。それじゃあまた、総会でね」
「はい。行ってらっしゃいませ」
最敬礼の深さまで腰を折り、彼らを見送る。
副社長だって会社のことを考えて、正しいと思うことを全力でやっている。
私たちは考えが少し違うだけで、どちらかが悪いわけではない。
でも、負けるもんか。
私は頭を上げ、再びヒールの音を軽快に鳴らして専務室に入った。