専務が私を追ってくる!



午後2時45分。

3時開始の臨時総会に向けて、大会議室には株主たちが集結している。

私は受付をしながらヒヤヒヤしていた。

なぜなら、修がまだ会社に戻ってきていないのだ。

何かあったのだろうか。

電話して確認したいけれど、今は持ち場を離れられない。

2時50分になり55分になり、どんどん定刻が近づいてゆく。

それでも修はまだ戻ってこない。

「郡山さん、専務はまだですか?」

さすがに園枝さんが心配してやって来た。

「すみません。まだみたいです」

「もう始まってしまいますよ。僕から電話してみましょうか」

「お願いします」

こんな時に、一体どこで何やってるの?

時間までには戻るって言ったのに。

「……出ませんね。仕方がありません。到着まで、専務抜きで始めます」

3時。

定刻となり、議長である社長から臨時株主総会開始の宣言がなされた。

来場した15人の株主へ、先日の夜行バス事故の説明とその影響についての説明が始まる。

話をしている社長が私にチラリと目配せをする。

『修はまだ?』

無言の問いに、私は首を横に振った。

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