専務が私を追ってくる!

今回の事故では、多少の損失はあるが、経営が傾くような大きな打撃にはならない。

そうポジティブな方向で説明をするが、質疑応答では厳しい質問がいくつも飛んでくる。

「事故による高速バスのイメージダウンをどう改善するのか」

「ドライバーの運転技術や危険回避能力向上のためのシステムは確立されているのか」

「打撃にはならないと言ったが、実際どれくらい利益が減る見込みなのか。配当がどうなるのか」

大体が予め想定していた質問だ。

社長がひとつひとつ丁寧に答えていき、時折副社長が補足をする。

修はまだ戻らない。

大株主からの質問は続く。

「6月の総会で頂いた資料には、高速バスの安全に関するマニュアルは毎年見直しが行われていると書かれていましたが、今年の見直しでは利益を追求して運転手を削減できるものに改悪したのではないかという噂を耳にしました。実際のところはどうなのでしょうか」

この質問に、会場全体がざわめきだした。

そんな噂、デタラメだ。

社内で噂になっているのは耳にしたけれど、大株主の耳にまで入っているなんて。

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