専務が私を追ってくる!
「共同運行会社と作成したマニュアルは、我々も全て確認をしております。東京間の夜行バスを含め、全てガイドラインに沿ったものになっておりますので、どうぞご安心ください」
社長の毅然とした返答に、株主たちが安堵の溜息を漏らす。
しかし、質問をしてきた株主は違った。
「資料によると今回事故のあった東京行きのマニュアルは、雨宮新専務の責任で採用されたと書かれていますが……本日は専務、いらっしゃらないようですね。是非お話をうかがいたかったんですがね」
とうとう話題が修にさしかかってしまった。
質問したのはS銀行の頭取。
副社長の差し金に違いない。
修はまだなの?
ポケットに入れた携帯を確認するが電話の折り返しさえない。
「申し訳ありません。専務の雨宮修ですが、到着が遅れております」
「おやおや、こんな大事な総会に遅刻ですか」
だらしないイメージをかき立てる言葉を選んでいる。
遅れている修が悪いだけに、謝るしかない。
頭取はまだ続ける。