専務が私を追ってくる!
「専務はまだ若すぎるのではありませんか? 確かまだ30歳でしたか。東峰バスは成長を続け、今では県を代表する会社のひとつです。雨宮社長のご子息だというだけで入社時から専務というのは、荷が重かったのでは?」
他の株主たちも、確かにと首を縦に振っている。
まずい。
修に専務の適性がないという印象が持たれ始めている。
「専務の選任については、取締役会で十分に検討して決定したうえ、6月の総会で定足数以上の賛成をもって議決されました。就任から4ヶ月。確かにまだ日は浅いですが、彼はよくやっています」
社長のフォローが心強い、とホッとしたのも束の間。
「よくやっているとおっしゃいますけどね、社長。我々株主としては不安も大きいわけですよ。だからこそ、こういう機会に話を聞きたかったのですがね。御社は起業以来世襲制でやってるようだけれど、そろそろ一族経営も限界なんじゃないですか」
パチパチパチパチ……
同意する旨の拍手が起こり、それがどんどん広がっていく。
どうしよう。
このままじゃ本当に……。
冷や汗がこめかみをつたったとき、とうとうあの人が話し始めた。