専務が私を追ってくる!
北野副社長に、挑むような強い視線をぶつける。
「解任の決議は、皆様の質問にお答えしてからでも遅くはありませんよね」
副社長は含みのある笑顔で「もちろん」と頷く。
足の震えが止まらない。
どうかバレていませんように。
続いてS銀行の頭取に視線をぶつけ、笑って見せる。
「さあ頭取。東京行き夜行バスのマニュアル、どの部分についてお答えしましょうか。ご希望であれば、全てコピーしてまいりますよ」
心の中の鬼をコントロールして、攻撃的で嫌な女である私を上手に活用する。
強くなりたい。
修の夢のために、副社長に負けたくない。
さあ、何でも来い!
怖いけれど、修は私が守るんだ!
ガチャッ————
大会議室の扉が、大きな音を立てて激しく開いた。
「遅くなりました!」
待ちわびた修が、息を切らし汗だくで入ってくる。
「専務!」
修は資料を持って前に立つ私を見て状況を察し、私をかばうように株主たちの前に立った。
右手で額の汗を拭い、深く息を吸う。