専務が私を追ってくる!
「それより聞いて。譲のやつ、今日すごいこと言いだしたから」
「なに?」
修は嬉しそうに顔を緩ませて洗面所へ行き、手を洗い終えた譲を肩に乗せて戻ってきた。
肩車に喜ぶ譲はキャッキャとはしゃぎ、修の髪を乱しまくる。
「ほら譲。ママに何か言うことあるんじゃなかったっけ?」
「ママに?」
「ほら、あれだよ。さっき頑固ジジイ……じゃなくて、商店街のおじいちゃんに言ってたやつ」
「しょーてんがいのおじーちゃん? あ!」
譲は思い出したのか、髪を乱す手を止めて私の方を見た。
修にそっくりな二重まぶたの目が、私に強い眼差しを送ってくる。
「ゆず、なーに? ママと赤ちゃんにも教えて?」
うん、と大きく首を縦に振った譲は、小さな右手の人差し指をビシッと立てた。
そしてそれを天高く突き上げ、まだ舌足らずの可愛い口で、堂々と宣言した。
「ぼく、大きくなったら遊園地つくるー!」
あ、今、息子の将来が少し見えた気がした。
私は夫と彼の顔を見比べて、二人目の息子がいるお腹に触れる。
「うん、きっと作れるね!」
fin.


