神様修行はじめます! 其の四

・・・そう言えば、さっきよりは体が少し楽になっている気がする。


あたしは自分の手を、恐る恐る確認してみた。


あ、元気ハツラツに増殖しまくってたミドリムシ君たちが、ずいぶん弱々しくなってる。


門川君が解毒の術を強化させたんだろうか。


さすがに一気に完全回復とまではいかないけど、割れるような頭の痛みは和らいできた。


きっと毒の浄化に伴って、熱が少し下がったんだ。


やっぱり彼ってスゴイ。未知の毒性を見極めて、瞬時に対応できるなんて。


「完全に解毒するには、多少の時間がかかるようだな。辛抱してくれ」


門川君の言葉に、あたしは少しだけ元気にうなづいた。


絹糸は相変わらず意識不明のままだけど、これできっと大丈夫。


頑張って、絹糸。もう少しだから、持ちこたえてね。


「おい、信子ババ聞こえているか? あんたの負けだ。なぁ、もう認めろよ」


浄火が信子長老の元へと近付き、砂の上に倒れた彼女の様子を伺っている。


その声には深い哀れみが混じっていた。


ウツボは門川君によって、あっさり片付けられてしまった。


あたし達を襲った未知の毒も、彼の術で治療されてしまう。


しかもウツボ三匹分に与えた血のせいで、もう彼女に余力は残っていない。


結局、門川君の独り勝ち。


やっぱり、いくら島の人間が能力に目覚めたところで、戦い慣れている者の方に分がある。


信子長老の気持ちは痛いほど理解できるけど、どうやったって無理な話なんだ。


だからもう、これでおしまい。

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