社内恋愛なんて
パスワードは知っている。


守は私に安心させるために付き合った当初からパスワードを教えてくれていた。


「見ないよ」なんて笑いながら言っていたのに、私は自分の言葉に嘘をつくことになった。


人は簡単に嘘をつく。


その時は絶対だと確信を持っていたことが、一瞬で崩れ去る。


人は嘘をつく。


私も嘘をついたように。


 LINEを見ると、未読が1件あった。


崎岩美奈子からだった。


【幸せ?】


 未読はその一言だけだった。


震える手で、過去のやりとりを見るために上にスクロールする。


【みあの家に結婚情報誌が大量に積まれてた!(ムンクの叫びのように青ざめて両手を頬に当てている絵文字)】


【それは重いね(笑)】


 私がお風呂に入っている間に、チャットのように数秒感覚で大量のやりとりがされていた。


二人の会話の中で見つけた守の本音。


笑顔で楽しく話していたのに、本当は嫌々だったんだ……。


ショックで茫然とした。


でも、こんなのはまだまだ序の口だった。
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