社内恋愛なんて
もはや勘とか第六感とかあやふやなものではなくて、確信に近い気持ちだった。


手が震える。


嘘だ、嘘だと言って。


目を閉じて震える手をぎゅっと握りしめるも、ざわざわした気持ちが膨れ上がる一方だった。


 これを確かめるには、一つの方法しかない。


私は絶対に携帯を勝手に見ることなんてしないと決めていたのに、見なければいけないような義務感に囚われていた。


今しかチャンスはこないように思われた。


これも確信に近い第六感が告げていた。


 今見ないと真相は藪の中だ。


どうする? 見る? 見ない?


 私は大きく深呼吸をして、冷静に考えようと努めた。


もしも今見なければ、私は何も知らないまま結婚することになる。


二人に裏切られているかもしれないのに。


知らなければ幸せ?


 ううん、そんなの幸せじゃない。


 私はなぜか、絶対に黒だという思いのもと見るか見ないかで悩んでいた。


もしかしたら違うかもしれないとは思わなかった。


なぜか絶対に浮気していると思っていた。


 そして私はパンドラの箱を開けた。
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