社内恋愛なんて
「久しぶり」


 守は、ぎこちない笑顔で言った。


「……久しぶり」


 私は下を向いたまま挨拶を返す。


テーブルを見ると、守はすでにコーヒーを飲んでいて、ほぼなくなりかけていた。


いつからここにいたのだろう。


「会ってくれてありがとう」


「……」


 何て返したらいいのか分からなくて、私は俯いたまま押し黙った。


会いたくて会ったわけではない。


そんな私の気持ちを察してか、守は話題を変えようとメニュー表を手渡した。


「何頼む? お腹空いてない?」


 メニュー表を受け取るも、まだ守の顔が直視できない。


「ううん、飲み物だけでいいや」


 頼むものなんて何でもいいのに、私はメニュー表を食い入るように見つめた。


店員を呼んでカフェラテを頼むと、守もコーヒーのおかわりを頼んだ。


そして、沈黙が流れる。


 ようやく頼んでいた飲み物が運ばれてきて、温かいカフェラテを一口啜ると、少し気分が落ち着いた。
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