社内恋愛なんて
それから数日間、誠一郎さんは出張で会社にいなかった。


その間も掲示板は荒らされていた。


でも、同じような文体で執拗に誠一郎さんを責める内容に飽きてきたらしく、無視されることが増えてきた。


ほぼ沈静化してきた状況に、ほっと安堵する。


けれど、書かれた内容はずっと残る。


言われたら、言われっぱなし。


ネットとはそういうところだと自分に言い聞かせるも、やるせなさは残った。


 誠一郎さんが不在の中、いつものように仕事をしていると来客用会議室担当の受付から電話がきた。


うちの会社には、一階を担当する総合受付と、来客用会議室やVIPルームの予約や給茶を担当している受付嬢がいる。


彼女たちの指導や管理も人事部の仕事なので、何か困ったことがあれば人事部に電話がかかってくるのだ。


「恐れ入ります、あの、会議室Bを使用しているお客様がひどく怒っているようで、他の会議室にも聞こえてしまうくらい声が大きいのですが、どうすればよろしいでしょうか?」


 会議室担当の受付嬢は、とても困っている様子が声から伝わってきた。
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