社内恋愛なんて
「それが、皆さんいらっしゃらないんですよ。

それに元々、今狩倉さんが対応しているおきゃ様は別の営業のお客様なんです。

その方がアポイントを取ってわざわざ来てもらったのに、誰もいないからお客様はカンカンに怒ってしまわれて。

それで唯一会社に残っていた狩倉さんが対応して、今日のところは帰っていただこうとしているのですが、なかなか怒りがおさまらないようで……」


「そうだったんですね……」


 電話を切り、ため息がでる。


営業部が誰もいないとなると、誰が対応するのか。


帰ってもらおうと頑張っているなら、早めに退出してもらうようメモ出ししても無意味だし……。


かといって私が入っていったところで何もできない。


どうしよう……。


 こういう時、誠一郎さんがいてくれれば判断を仰げるのに。


困ったことに、総務部内も役職ある人たちは席を外してしまっている。


頭を抱えて、ない知恵を必死に絞り出す。


でも、全然いい案が浮かばない。


とにかく現場にいってみよう。


後輩の女の子に事情を説明しておき、急いで来客用会議室に向かった。
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