社内恋愛なんて
「まあ、確かに君は勉強不足だな。
PM営業は他の営業部と違って、装置の全てを知っていなくてはいけない。

技術面の知識はまだまだだと言わざるを得ない」


 はっきり言われて、守はしょんぼりと項垂れた。


「しかし……」


 誠一郎さんは一拍置いて、話し出した。


「その素直で人懐っこい性格は、営業向きだ。

俺は人から怖いと思われたり、とっつきにくさがあるから知識はあっても営業にはあまり向いていないんだ。

自然体で人と距離を置かない温かい雰囲気は、君の最大限の武器だ」


「剛田部長……」


 守は褒められて今にも泣きそうな顔になっていた。


「ただし、おおらかすぎて生意気だと思われることもあるだろうし、あまり深く考えないタイプのようだから、そこは気をつけるように。

今から死ぬ気で勉強してみろ。

それができたら、必ず伸びる」


「はいっ!」


 守は背筋をピンと伸ばして、心地いい返事をした。


最近守の雰囲気が暗かったけれど、靄が晴れたように生き生きとして見えた。
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