社内恋愛なんて
「みあを駄目だって言う親なら、もう親とは思わない」


 きっぱりと言われたことに驚きを隠せない。


だって、誠一郎さんとお義母さんは一般的な母子よりも強い絆があるからだ。


 誠一郎さんの実家は、大正時代から続く醤油や味噌を醸造している名家で、お義父さんは、誠一郎さんが高校生の時に亡くなっている。


誠一郎さんには4つ上のお兄さんがいて、当時大学生だったお兄さんは学校を辞めて家業を継いだそうだ。


 名家とはいっても、脳梗塞で突然死んでしまった大黒柱を失った打撃はとても大きく、誠一郎さんも学業の傍ら、必死で家業の手伝いをしていたそうだ。


母子家庭になった誠一郎さんは、苦労して育ててくれたお義母さんのことをとても大切に思っている。


だからお義母さんに嫌われたら結婚もなくなると強いプレッシャーを感じていた私。


それなのに、そんなにあっさり親とは思わないと言った言葉に驚いたのだ。


 でも、考えようによってはそれだけお義母さんのことを信頼しているということなのかもれない。
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