いと。

「……ふぅ。」

風呂上がりの髪を拭きながら外を眺める。

カーテンもつけずに電気の灯るこの部屋は外から見たらどんなに滑稽だろう。


『愛の髪はサラサラだな。風になびくといい香りするし、俺好きだよ』


『ベッド換えるの?じゃあセミダブルにしようよ。その方がふたりでももう少しゆっくり寝られるだろ?俺のベッドもそうする』


浮かぶのは薫の言葉ばかり。


『愛…。俺の、愛しいひと』


「………っ。薫…。」


…いやだ。ホントは嫌だ。すごく嫌だ。


薫が…私以外の家族を持つなんて。


私以外の女と夫婦になるなんて。


あんな女と………。


そして……ひとりになるなんて。


「やだ…やだよ、薫。


薫っ…!薫…!かお……る…………。


ひとりに………なりたくないよ…………。


いやだよ。………………薫。」


溢れる涙を止めることもできない。


溢れる想いを止めることもできない。


それから私は、ただただひたすら泣き続けた。


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