いと。
私はきっと………もうこの人が好きだ。
仕事で一人前になるまではとずっと気づかないふりをしてきたけれど、もう……そろそろ限界かもしれない。
だって薫さんの声はいつも私の心を擽る。
その笑顔はいつも私の心を温かくする。
その距離が縮めば縮むほど、もっとと願ってしまう。
だけど、
だけど私は……
またちゃんと、全てをさらけ出して愛せないかもしれない。
「アイちゃん?」
「…っ!……あ、なんですか薫さん。」
しまった。考え込んでしまうのは私の悪いクセだ。
その時、
ーチリンー
「いらっしゃいませ。」
ドアベルと薫さんの声が響いた。
そしてコツコツと鳴る男性の足音がして、私の真後ろで止まった。
「………お前はこんなところに出入りして何をしている?」
「……っ!」
ガバリと振り返る。
そこには…、私がこの世で一番嫌いな……
父がいた。