いと。
「………………っ。」
残された私は、無力だった。
悔しいけど、戸澤さんの言う通りだ。
こんな身体じゃなにひとつできない。無理に出て行ったところで倒れてまた連れ戻されるのがオチだ。
「……ちゃんと、考えて…強くならなきゃ。」
首筋を、指でつっと撫でる。
きっとここにはさっきつけられた『印』があるはずだ。
こんなものつけるなんて許せないけど…これが消える頃にはちゃんと冷静に彼と対峙できるように、もっと………
その時、不意にパタパタと聞こえるスリッパの音に気づいた。リビングに近づいてくる足音。
「…え?誰?」