いと。

「曜さん、愛はね…結婚すると私に報告に来た時、本当に…幸せそうだったの。」

そう言われて思い出した。空港で別れた時の、あの晴れやかでキレイな笑顔。

オレがそうしてあげられたと思うと、本当に嬉しかった。

「……………。」

「はにかんだ笑顔も、曇りのない澄んだ瞳も初めて見たといっても過言ではないくらい。

あなたがそうしてくれたんでしょう?」

「………奥様。」

「私が………全ての元凶ね。

いっそ…記憶なんて戻らなければ……!」

声にならない声で泣く姿はあまりに悲愴的で、見ていられるものではなかった。

眞城社長はただただそれを抱きしめ、宥めるように背中をさすっていた。


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