いと。
「くそー!どこ行った!」
愛が逃げた先は細い路地で、しんしんと降る雪が彼女の足跡を消してしまっていた。
俺の手に握られたのは彼女が落としていった一冊の小さな手帳。
これが本当なら、尚更一人にするわけにはいかない。
『ごめんね』
苦しげに言い残した言葉が胸を深く刺す。
「…どこに行った?」
せっかくここまで来たのに、また見失ってしまえば振り出しになってしまう。
「……どこだ?…とにかく旅館か!」
また姿を消すつもりでも女将の所には立ち寄るかもしれない。そう思い、旅館へと走った。