いと。

「…あなた、観光客でもなさそうね。そんな寒い格好して。

……私、旅館の女将なのよ。もう日もくれるし空き部屋あるから泊まっていきなさい。」

突然声をかけられたことに驚いたその女の子は少し考えて……でも、結局こくりと頷いて私について来た。

「あなた、名前は?」

「………シンジョウ…メグミ…です。」

涙の後の鼻にかかった声で小さく答えたその子を、私は一晩泊めてすぐに雇うことに決めた。

直感で感じたから。

あの子が何かを抱えて、それでも前を向こうとしてるって。


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