いと。
「………………。」
『オレの奥さん』
そう言った曜の表情は驚くほど柔らかくて、話を半信半疑で聞いていた私はそれを見て漸く本当なんだなと実感した。
「………愛?」
「じゃあ、私…曜のそばにいてもいいの?赤ちゃんを産んでも…いいの?」
無意識のうちに彼のコートの裾を掴むと、その手はごく自然に彼の大きな掌に絡みとられた。
「当たり前だろ。……一緒に育てよう。世界一幸せな家庭の、世界一幸せな子にするんだ。」
『子供には罪なんかない』
そう強く言われた桐子さんの言葉が降ってくる。
「………曜…………。」
気づくと溜まった涙が、堪えきれずに頬を伝っていた。
寂しくて寂しくて仕方がなかった日々に耐えていた心が、報われた気がした。
生まれる前から子供達に罪をもたせてしまったと思っていた申し訳ない気持ちが救われた。
あの時………私の命をとどめてくれた桐子さんに、どれだけありがとうと言っても足りないくらいだ。