いと。
「…ごめんな。」
「え?」
抱きしめられた腕の中、湖畔の冷たい風の中でも、その声は重く耳に伝わった。
「お前を、ひとりで京都に行かせるんじゃなかった。一緒に行けばよかった。
ずっとそれを後悔してたんだ。」
曜の瞳は後悔に揺らぐ。それを遮るように、私は精一杯の笑顔を彼に向けた。
涙で……うまく笑えてたかはわからないけど。
「……ううん。そんなことない。一緒だったとしても私はきっと姿を消した。
………曜。探してくれて、ありがとう。」
「…あぁ。」
安堵の表情を浮かべた曜は小さなキスをひとつ、ほっぺにくれた。
「…ちゃんとしたのは後でな。」
そう小さく耳元で呟いて。
いつの間にか止んでいた雪は私たちの周りをすっかり冬景色にしていて、その中でも薄くさした光を浴びる湖面はとても綺麗だった。
『不老不死を願い、得た美しさ』
それはもしかして、この湖がずっとこうして光を浴びて輝いてきた美しさなのかもしれない。