いと。
「そういえば、妊娠してるって誰に聞いたの?桐子さん?」
手を繋いで寮への道を歩く。ちょっと恥ずかしい気もしたけど、曜はしっかり絡ませた指を決して離さなかった。
「名前は聞いてないけど女将が…っていうかお前さっきコレ落としていっただろ?」
コートの胸ポケットから差し出されたのは母子手帳だった。
「…あれ?」
ガサゴソとバッグを探る。
「…あ、ホントだ。一冊足りない。」
両方拾ったと思っていたのに。どれだけ焦っていたかと思うと、ちょっと笑えてしまった。
「…ん?一冊って?」
足取りが止まった曜は訝しげに私を見つめる。
「…………聞いてないの?」
「何を?」
聞いていたと思ったのに。
それなら曜は、これを聞いてどんな反応をするだろう。
「………赤ちゃん、双子だよ?」