いと。

翌日、挨拶に行くと桐子さんは寂しそうだった。

「産まれたら私が面倒みるつもりだったのに、残念。」

そのあったかい手でお腹をそっと撫でてくれる。

「…必ず会いに来ます。連絡もします。ここは、捨てた命を拾ってもらった大事な場所ですから。

桐子さんは…私の大事な恩人です。

いくら感謝しても…足りないくらい。

桐子さん…。ありがとうございました。」

涙をこらえてひとつひとつ言葉を紡ぐ。

そんな私を桐子さんは娘を見つめるように優しく見ていてくれた。


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