シャッターの向こう側。
 本当に私は何をしたいんだろう?

 何を言いたいの?

 坂口さんにあんな事を言うなんて、どうかしちゃったんじゃない?

 でも、思わず口から言葉が溢れ出た。


 夢なら、ハッキリとしてる。

 私らしい〝写真家〟になる事。

 その為にはもちろん生活もしていかないといけないし、その為には、仕事もキチンとしなきゃいけない。

 だいたい、親に半ば反対されて出て来た都会生活。

 一人の力でどうにかしなくちゃいけなくて……。

 親にはもちろん頼れない。

 お祖父ちゃんにも、親の手前頼れない。

 ううん。

 お祖父ちゃんは、いつも見守ってくれているから、あまり心配かけちゃいけない。

 一人で生きていかなきゃいけなくて。


 でも……。

 何故、こんなにも苦しいの?

 もやもやがずっと晴れない。

 空を見上げると繁華街のネオンに隠れるように、高層ビルの影が見えた。


 所々付いている明かり。

 まだ働いている人達の明かり……

 地上の光が明る過ぎて、星が見えない。


 まるで箱庭……。


「…………」


 な~んか、私らしくない。

 そもそも、うじうじ考えているのはたまにでいい。

 ハタリと足を止めたのは、レンタカー屋さんの目の前。

 赤に白字のアルファベット。

 そして24時間のマーク。

 幸いにも、まだお酒は飲んでいなかったし、免許証はいつも携帯中!


「こういう時は気晴らしよね」

 自動ドアを開けて中に入ると、何やら免許証を見せたり記入したり、色々と手続きを済ませ、とにかく車を一台調達。

「さてっ! ドライブよ! 星でも見に行きましょ!」

 なんて……


 ここまでは良かった。
< 156 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop