シャッターの向こう側。
 この空の色は気に食わないな。

 嫌いな方の一枚。

「もうコンビニ行ったのか?」

「予備ですよ、予備」

 あ。

 この雲はいいかも。

 好きな方の一枚。

「いくら?」

「いいですよ、それくらい」

 これは嫌い、こっちは好き。

「あっそ……サンキュー」

「……はいはい」


 って、

 サンキュー!?

 ガバッと顔を上げると、ペットボトルのお茶を飲んでいる宇津木さんと目が合う。


「なんだよ。その驚いた顔は」

「え。だって、サンキューって言いましたか?」

「俺が礼を言うのが、そんなに驚くことなのか?」

 あ、墓穴掘り。

「や。あの、まぁ……?」

「お前って、俺がどんだけ失礼な奴だと思ってるんだ?」

 いや、まぁ。

 かなり?

 視線を外すとデコピンされた。


「痛いです!!」

「自業自得」

 おでこを押さえる私を、数人の同僚が見て笑っていた。










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