新社会人の私と不機嫌な若頭

仲直りは甘く…



車が走り出せが会話はない
けど……涼介さんは私の手を握ったまま


今までそんなことあったかな?
そんなこと考えちゃう


マンションに着いても
私の手を握ったまま。


『え?……なにこれ。』

部屋に入るとすべての扉が開いたまま
泥棒でも入ったのかと思うほど


「……悪い、杏奈を探した」


バツ悪そうに話す涼介さん
どんなに必死だったのかと想像する
一つ一つ、ドアを閉める
クローゼットの扉が開いていたり
納戸の扉も空いてたりと
ここも?って所も開いていた


『……私は小人ですか?』


怒りを通り越して笑いに変わっていた
すべてのドアを閉める


想像するだけでにやけてしまう
涼介さんが必死で探してくれたんだろう


そしてある事に気がついた
携帯……
鞄から携帯を取り出し開けば
不在着信、メールが……
もちろん涼介さんばかり。
……かと思えば白鳥さんからも。
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