新社会人の私と不機嫌な若頭


涼介さんは本を閉じ明かりを消す
そして、優しく私を包み込む



「言いたいことは何でも言え、言いにくいことなら、メールでも手紙でもいい。杏奈が抱えてるもの、全部俺が受け取る」


『……全部?』



「ああ、全部だ」



『……重くない?』



「ふっ……俺を誰だと思ってんだ」



『……岸谷組の若です』



「ふっ……ああ、そうだった」



忘れてたかのように言う涼介さんに
私も笑ってしまった



「杏奈は笑ってる方がいい。怒ってる杏奈はさすがに堪える……どうしていいか全くわからん」


涼介さんを見れば本当に困った顔をしていて申し訳なく思う


『ごめんね』


そう言うと、涼介さんはフって笑って
私の額にキスをする
< 36 / 149 >

この作品をシェア

pagetop