恋に落ちるなら君がいい
「慧の何がそんなに言いわけ?」
呆れたように聞く当時の野嶋君は高校を中退したけれど、通信制の高校に通い直して頑張っていた。
暇な時間さえあれば、慧の部屋によく遊びに来てて
慧と野嶋君は兄弟のように仲良しだった。
そんな野嶋君でさえも
慧がどこの誰かなのを知らなかったのは後から私も知ったんだけど。
「逆に慧の嫌な所を見つけろって言われるほうが私には難しいんだけど?」
呆れ顔に呆れ顔を返す私。
「お前ら仲良くしすぎたら、俺、マジ怒るよ?」
と、慧はヤキモチ妬くし
誰がどう見たってただのバカップル。
バカにされても冷やかされても構わない。
私達はいつだって2人きりの世界で
それで幸せだった。