恋に落ちるなら君がいい
お腹に赤ちゃんがいる実感はなくても
パパとママな気分は充分。
「ねえ、澪、霜がおりてる。」
バイトに行く支度をしながら慧が嬉しそうに窓の外を眺める。
「初雪は一緒に見たいね」
どちらともなく言った言葉に笑顔をこぼしながら
バイトに行く慧を見送る。
「寒いし、気をつけて行って来てね。」
手を振ろうとした私を見て
慧は「あっ‼」と嬉しそうに叫んだから
わたしは首を傾げて周りを見渡した。
「なに?何か良いもの見つけたの?」
「見つけたよ。」
そう言ってゆっくり私のもとへ歩いて来ると頬にあてられた温かい手のひら
「澪の吐息が見える季節」
そう言って
優しく微笑むと
外なのにも関わらずキスをくれる。
幸せだった。
この幸せに終わりがくるなんて思いもしなかった。