お猫様が救世主だった件につきまして
「へ?」
何気なくそちらを見て、目が潰れるかと思った。
だって……
太陽の光を受けて輝くプラチナブロンド。澄みわたる海のような碧の瞳。引き締まった体を包むのは、白い軍服で足元は黒いブーツで赤いマントを肩からかけてる。
そして、輝くばかりの美貌。人形のような整った顔立ちは生きてる? と訊きたくなるほど完璧で。見とれても仕方ないと思うけど。
そんな綺麗なお顔が歪んだかと思うと、嫌そうに吐いた言葉が。
「あり得ないな。神が選びし勇者がコレとは。あまりと言えばあまりではないか」
……なんか、バカにされてる?
カチンときたあたしは、羽毛から立ち上がって彼を睨み付けた。
「ちょっと、さっきから何よ! あたしのことちんちくりんだとか平坦な顔だとか。いくら自分が綺麗だからといって、言って良いことと悪いことがあるでしょう!」
「俺は真実を口にしただけだろ」
「し、真実って……女性に対してストレートに言えばいいってもんじゃない! もっとオブラートに包むとか、欠点も魅力として褒めるとかしなさいよ!」
「それは失礼しました、お嬢さん。その低い鼻はきっとぶつかっても支障なく、小さな瞳はゴミが入りにくいでしょうね」
「……あんた、ケンカ売ってんの?」