御曹司は身代わり秘書を溺愛しています


「夢じゃないなら、僕の好きなようにするよ……。それでもいい?今日はもう、我慢できそうにないんだ」


頬を染めながらうなづくと、また彼の唇が体中を彷徨った。

体が、心すべてが彼で満たされ、もう他には何も考えられなくなる。



微笑んだ青い瞳が煌めいて、そこからは本当に彼の思うがままに愛され、翻弄されて――。

荒れ狂う嵐の中で、私はただ彼の背中にしがみつき、声をあげることしかできなかった。





あれから何度も愛し合い、気づいた時には夜も更けていた。


チェックインしたのは確か午後三時くらいだったから……。


一年ぶりに会ったとはいえ、あまりにも激情に流されすぎた私たち。

冷静になってみれば、さすがの怜人も戸惑いの表情だ。


「ええと……。理咲、まずはお母さんに連絡を入れた方がいいのではないですか」

「そ、そうですね……。えぇと、なんて言ったらいいんでしょうか……」


怜人のことであれほどふたりをヤキモキさせておいて、いきなり外泊とは……と、戸惑ったものの、電話にでた母には正直に『偶然怜人に会い、そのまま一緒に過ごす』と伝えた。

嬉しそうに『あぁ、そう』と言って電話を切った母。

その嬉々とした声色から想像すると、今頃は祖母と祝杯を挙げているに違いない。


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