御曹司は身代わり秘書を溺愛しています

慌てる私にはお構いなしに、怜人は悪戯っぽく笑いながら、嬉しそうに私の体を抱きしめる。

熱を持った怜人の体から伝わる、官能的な香り。

ますますうるさく胸をたたく心臓の音をどうすることもできないまま、私は彼の腕の中に身を委ねていた。







「動きやすい格好に着替えて降りてきて」と怜人に言われ、コートの中に黒いパンツとニットを着込んで階下に降りると、すでに支度を終えた怜人が玄関のエントランスで待っていた。


その姿は、まるで雑誌から抜け出たような英国紳士の乗馬スタイル。ぴったりした白のパンツに、ネイビーのジャケットを合わせて長いブーツを身に着けた姿は、どこからどう見ても素敵で思わず見とれてしまう。


「馬に乗るの?」と聞くと「一緒にきて」と怜人。

広いお屋敷の敷地を少し車で走り厩舎につくと、車を降りた怜人は、待ちきれないように一頭の馬に歩み寄った。



とても美しい白い馬が、嬉しそうに鼻を鳴らして彼にすり寄っている。

怜人はひとしきり馬との再会を喜ぶと、遠巻きに見ていた私に向かって「おいで」と手招きをする。


「理咲、彼はラファエル、僕の馬です」


そう言って彼が頬をなでる白い馬が、ブルッと鼻を鳴らしながら私をちらりと見た。

大きく潤んだ青い瞳。今まで見たことのない美しい生き物に、ただ圧倒されて言葉も出ない。

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