御曹司は身代わり秘書を溺愛しています

まずはきちんとお見合い相手に自分の状況を話すこと。

そして向こうもこの結婚を望んでいないということなら、双方の希望をスムーズに叶えるため、ちょっとした協定を結んではどうかと提案する。

お互いこのお見合いには乗り気ではないし、しかも可憐さんのお腹には別の男性との赤ちゃんがいるのだから、向こうも無理にこの話を進める気にはならないはず。

でも悲しいことだけど、可憐さんのご両親は彼とのことを認めてくれない。
もしばれたら、可憐さんも赤ちゃんも危険な目に合うかもしれない。

だから、可憐さんの恋人と可憐さんがきちんと話し合い、結婚を許してもらう準備をするまでの三か月、私が可憐さんの身代わりとして秘書兼婚約者候補になる。

三か月後、可憐さんが問題を解決してご両親の目の前に現れるころに私は姿を消し、そしてCEOも、『僕は何も知らなかった』で通せばいい。

彼も『結構ヤバいコネ』で断りきれなかったお見合いを断らなくて済むし、そのころにはすでに始末なんてこともできないほど赤ちゃんも育っているだろうし——。
とまぁ、そんな感じだ。


『でもさあ、理咲ちゃん』


不安そうな顔で可憐さんが私に顔を近づける。


『それじゃ、理咲ちゃんがまる損じゃん。お金だっていらないって言うし』


『だから、本当に秘書として雇って貰うんです。それでお給料をいただければ……』


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