強引専務の身代わりフィアンセ
「手続きの関係でエキスポ(国際見本市)に参加するのには身分証も必要になってくる。偽名なんて通用しないし、情報を偽るわけにはいかない。それこそ、そんなことしたら信用問題だ。だから君は鈴木美和として参加してくれたらいい。関係者には適当に話すし、彼女のことを知っている人間は会場にはおそらくいないだろうから」
「そんな無茶苦茶です。私は美弥さんと全然似てませんし、仮に今回をしのげたとして、今後、専務が美弥さんと一緒になったときに、ここで会った人たちになんて説明するんです?」
「ほんの短時間、一度や二度しか軽く会ったことのない人物をそこまで正確に覚えている人間は少ない。今回は外国企業の参加も多いし、万が一覚えていたとしても、いくらでも取り繕える」
「だからって……」
「なにも一週間すべてに付き合う必要はない。関係者への関連イベントで顔を出さないといけないのは最初に集中している。だから三日でかまわないんだ」
私は言葉に詰まった。専務に言われた言葉で、少しでも舞い上がってしまった自分に腹が立つ。なにを期待していたのか。
最初から最後までこれはビジネストークだったのに。そもそも専務は、私自身のことは、信用もしていないし、むしろ嫌っている。それはこの前のやりとりで十分に身に染みたはずだ。
「美弥さんは、専務の本当の婚約者さん、なんですよね?」
「親同士が勝手に言ってるだけだ。でも、こういうときに利用しない手はない。それに今回の件は、こちらで上手く根回ししておくから、そちらが心配することはなにもない」
緊張気味に尋ねた問いかけに対し専務の回答はあまりにも事務的なものだった。こういった仕事では、後々のトラブルを避けるために、契約書をきちんと交わす。けれど、それ以前に私は彼女の存在が気になっていた。
「そんな無茶苦茶です。私は美弥さんと全然似てませんし、仮に今回をしのげたとして、今後、専務が美弥さんと一緒になったときに、ここで会った人たちになんて説明するんです?」
「ほんの短時間、一度や二度しか軽く会ったことのない人物をそこまで正確に覚えている人間は少ない。今回は外国企業の参加も多いし、万が一覚えていたとしても、いくらでも取り繕える」
「だからって……」
「なにも一週間すべてに付き合う必要はない。関係者への関連イベントで顔を出さないといけないのは最初に集中している。だから三日でかまわないんだ」
私は言葉に詰まった。専務に言われた言葉で、少しでも舞い上がってしまった自分に腹が立つ。なにを期待していたのか。
最初から最後までこれはビジネストークだったのに。そもそも専務は、私自身のことは、信用もしていないし、むしろ嫌っている。それはこの前のやりとりで十分に身に染みたはずだ。
「美弥さんは、専務の本当の婚約者さん、なんですよね?」
「親同士が勝手に言ってるだけだ。でも、こういうときに利用しない手はない。それに今回の件は、こちらで上手く根回ししておくから、そちらが心配することはなにもない」
緊張気味に尋ねた問いかけに対し専務の回答はあまりにも事務的なものだった。こういった仕事では、後々のトラブルを避けるために、契約書をきちんと交わす。けれど、それ以前に私は彼女の存在が気になっていた。