八百比丘尼と新選組-800歳の少女-
「………すみません。原田さん」




私と原田さんは屯所、というところに向かっていた。




影が2つ、長く伸びている。




「いいってことよ!急に泣き出した時はびっくりしたけどな」




と、原田さんはニカッと笑った。




「なんせ人なんて斬ったことがありませんから」




「まぁ女で刀を使いきる奴なんてなかなかいねぇよ」




再び静寂が訪れる。




「………そいやお前、一人で住んでんの?」




「はい。身寄りもいませんから」




「なるほど。あと名前、俺は原田左之助(はらだ さのすけ)」




「藤塚 都(ふじつか みやこ)です」




「都か。響きが綺麗だよな」




「父の話によると、母が都で有名な美人さんだったそうで」




内緒で駆け落ちしたなんて言ってたなぁ。




「だから都も別嬪なのか」




オイ口説くの好きだな。




そう思った時。




「あ、着いたぞ」




屯所とやらに着いたようだ。
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