無慈悲な部長に甘く求愛されてます
♡
きらめく夜景を背に、十人くらい座れそうなソファが弧を描くように並んでいる。
広いリビングにあっけにとられながら、私はガラステーブルに置かれたフルーヴのケーキにフォークを入れた。
「こんな広いところにひとりで暮らしてたら、寂しくないですか……?」
「だいたいは帰って寝るだけだし、特に寂しいと思ったことはないな」
毛足の長い絨毯に直接座り込んでいる私の横で、優雅にソファにもたれていた冴島さんが、思いついたように身を乗り出す。
「なんなら、一緒に住むか?」
私はケーキを食べようと開いていた口を閉じられなくなった。
「えっ!」
「うん、それがいい。ここならセキュリティがしっかりしてるし、通勤にも便利だろ?正直、あの家に住まわせておくのは心配だったんだ」
冴島さんはいたずらっぽく笑いながら、私の頬をつつく。
「君は会社にいるときはしっかりしてるのに、普段は別人みたいにぼんやりしてるから。今までよく無事だったよ」
見透かされている……。