無慈悲な部長に甘く求愛されてます



 きらめく夜景を背に、十人くらい座れそうなソファが弧を描くように並んでいる。

 広いリビングにあっけにとられながら、私はガラステーブルに置かれたフルーヴのケーキにフォークを入れた。

「こんな広いところにひとりで暮らしてたら、寂しくないですか……?」

「だいたいは帰って寝るだけだし、特に寂しいと思ったことはないな」

 毛足の長い絨毯に直接座り込んでいる私の横で、優雅にソファにもたれていた冴島さんが、思いついたように身を乗り出す。

「なんなら、一緒に住むか?」

 私はケーキを食べようと開いていた口を閉じられなくなった。

「えっ!」

「うん、それがいい。ここならセキュリティがしっかりしてるし、通勤にも便利だろ?正直、あの家に住まわせておくのは心配だったんだ」

 冴島さんはいたずらっぽく笑いながら、私の頬をつつく。

「君は会社にいるときはしっかりしてるのに、普段は別人みたいにぼんやりしてるから。今までよく無事だったよ」

 見透かされている……。


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