無慈悲な部長に甘く求愛されてます
それは私のセリフだと、心の中で思う。
会社で毎日気を張って、頭のなかは仕事の段取りを考えるので精一杯。
そんな私が、まさか上司と恋に落ちるなんて。
あのクリスマスの日を迎えるまで、想像もしていなかった。
くすりと笑いをこぼす私を、冴島さんは不思議そうに見る。
「どうした?」
「いえ……冴島さんのサンタクロース姿は、衝撃だったなと思い出して」
もしかすると私は、あの瞬間から恋に落ちていたのかもしれない。
「……俺も、まさかあそこに会社の子が現れて、しかもケーキをぶちまけることになるとは思わなかったよ。しかもその相手に夢中になるなんてね」
目が合って、ふたりで笑ってしまった。
きっとあの日、私たちが抱いていたお互いの印象は、大きく覆された。
「どうして、会社ではわざと厳しい態度を取るんですか?」
ずっと聞きたくて聞けなかったことを口にすると、冴島さんはほんの少し気まずそうな顔をした。