無慈悲な部長に甘く求愛されてます

 真凛の顔を見られないまま、だんだんと胸が重くなっていく。

 降り積もる後悔に、心が埋まりそうだ。

 こんなふうにバレてしまう前に、真凛にだけはきちんと伝えておきたかったのに。

「あのね、私――」

 意を決して顔を上げると、真凛の表情が目に入った。

 形のいい唇を片方持ち上げて、いたずらっぽい顔で笑っている。

「なるほどね、そういうこと!」

 私の肩をばしばし叩くと、おかしそうに笑いだす。

「もう早く言ってよ!びっくりしちゃったじゃない!でも納得だわぁ」  

 いつにないテンションの高さに、あれと思った。

 そういえば、香水にまぎれてどことなくアルコールの匂いがするような……。

「真凛……酔ってる?」

「なに言ってるの。一杯飲んだだけで酔うわけないじゃない」

 急に怒り口調になったと思ったら、今度は妖しげに微笑んでウィンクをする。
 
「明日の昼にでも、話聞かせてよ」

 それから「じゃあね」と言って、彼女はアプローチを歩きだした。

 通りに出ていく後ろ姿を見送りながら、ぽかんとしてしまう。

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